修理カルテ

掛時計

● 東京 精工舎製 大正時代?

長年屋外に放置の為、外観が腐食色落ちが激しいが、形見の時計とのことで、外観修復と分解掃除をご希望。大変な状態ですが、がんばりましょう。

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長年の雨・風による風化が激しく塗装も完全に落ちてしまっている。

    

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ガラスは割れていなかった為文字盤はなんとか大丈夫そうです。

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下窓部分もガラスは健在。ただガラス枠下部が無くなっている代わりになるものを用意する予定。

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文字盤もガラスは健在にせよ色落ちが激しい。
書き換えては面影がなくなってしまうので、当時を再現出来る様修復予定

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文字盤下写真
文字盤を外したところですが、こちらも雨・風による風化が激しい様子。

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文字盤を外したところを全体で。
機械は影響無さそうですが・・・

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機械の分解掃除を行います。外観の風化度合に比べると、機械は大丈夫の様子。さすがに油切れは避けれないとしても、調子は良さそうです。

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鳴りの具合、タイミングもOK!

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外観の色付けに入ります。当時の面影を残したいのですが、 なかなか難しいですね。何度も重ね塗りをしていきます。

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外観の色付け重ね塗りの最中です。所々薄くしたりしてます。

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大分感じが出てきました。

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下窓枠作成
右下の木枠を作製着色  左下とほぼ同じに

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全体組立
文字盤拡大写真です。やはり書き換えることはせずに、色落ち部分のみを修復しました。書き換えるとそこだけ新しく見えてしまうので・・・

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全体組立
時計下部と下窓部分も色の濃淡をつけます。上部と同じように濃い色で縁取りをしました。

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全体組立
機械・文字盤・針をつけて色のバランスを見ます。 この状態で遅進測定を3~4日して仕上がりです。

★今回は、塗装が主な仕事となりました。
久々に驚かされましたが、機械がしっかりしていてよかったです。
形見の時計が、もう一度命を吹き込まれ活躍してくれるでしょう。