修理カルテ

掛時計

● 東京 精工舎製 大型 大正初期

大物です。全長約120cm、幅約60cm 総欅作りの堂々とした時計です。
遙々仙台の地から送られて来ました。

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文字盤のガラスが枠ごと無いのと、振り子前(下窓)のガラスが割れてしまっています

    

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振り子前(下窓)ガラスの拡大画像です。オリジナル文字をどうにか残した状態で修復出来れば・・・と。

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ガラスを外したとこです。下の赤線で
「SEIKOSHA」 「TOKIO,JAPAN.」を残してカットすることに。

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ムーブメントは元気そうです。洗浄・注油でOKか?

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んんん!? ムーブ上に何かある?

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蜂の巣でしょうか? 安全な場所に作ったもんですな。

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可哀そうですが、完全撤去です。

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ムーブは分解掃除しました。
臍(ホゾ)に注油したところです。 これで動きが滑らかになります。

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時計最下部の画像です。
下の板が無くなってしまっていますね。
何か作りましょう!

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最大の難関と思われたガラスのカットと修復が以外に早く出来ました。

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予定通り「SEIKOSHA」と「TOKIO,JAPAN.」が残るようにカット。
そして、もう1枚オリジナルガラスの前面に新しいガラスを付けて完成です。
下窓上部は二重ガラスになります。

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ガラス2枚を段差を付けたあて木にて固定。
これで当時の面影を残すことも出来ますね。

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文字盤枠です。

なかなかサイズの合うものが見付からず、 我が家所有のものを拝借することに。

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新しい文字盤枠をつけるために文字盤枠を止める為の穴も加工します。

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新しい文字盤枠にあわせて止め穴の大きさを変えます。
少し大きくしました。

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最下部底板も新しく作りました。
近くの建具屋さんに相談したところご好意で作ってくれました。

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外装修復完成!
全体写真です。

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ムーブメント・振り子・針をつけて調子をみます。(遅進調整)

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仕上がりです。
文字盤部分も外枠+ガラスがつきました。 これで文字盤の汚れも防ぐことが出来ます。

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下窓も一面ガラスが入り、オリジナル文字も健在!
当時の面影が残りました。

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底板も新調し、高い所に掛けても大丈夫です。
これで蜂くんも不法侵入は出来ないでしょう!

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完成全体写真です。
当時の感じを残しつつ修復出来たと思います。

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配送準備です。
振り子を外し、振り竿に無理が掛らないように輪ゴムなどで固定します。

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梱包作業です。
クッションをいくつも使って厳重にしてます。

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時計を囲むように板で補強します。 あとはガラスが割れないように祈るだけです。。。

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無事着いたとご連絡をいただきました。
今後、元気に時を刻んでがんばってください。