修理カルテ

掛時計

● ユンハンス 小型スリゲル -通称バイオリン-

長野市 A様からのご依頼品
進んでしまうとのこと。。。

ユンハンスはドイツ最大の時計メーカーでドイツ最初のクォーツ腕時計、世界最初の電波時計や電波腕時計を作ったことで知られる。
現在では、世界最高峰のアンティーク掛時計として国内で高価取引がされている有名掛時計です。 なかでも今回ご依頼の小型バイオリンは人気の高い品です。

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本来の姿とは違う姿で来店の時計です。
時計上下に飾りが付いているのですが、運搬中に破損しないよう予め外してお持ち頂きました。

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通常はこんな形。
コチラは当店所蔵品

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時計横もガラスがしっかりとはめ込んであります。
シースルーバックならぬシースルーサイドですねユンハンスには多い形ですね。

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文字盤の下板の色が特徴的ですね。この下板には色んな色、サイズがあるような・・・

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ガラスも年代物。ユラユラしてます。しかしガラスのはめ込み方はパテ埋めしてありますね。この辺も日本製とは違いますね。

文字盤外してみたら、文字盤台板が破損していました。機械(ムーブメント)も油が浮いていたような感じになっていました。

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振り子とカギです。
ご依頼者様がキレイに磨きをかけたようです。思わず「なんでこんなにピカピカしてるのでしょうか?」と聞いてしまいました。

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外枠とムーブメントの画像です。
ムーブメントはドイツ製ですが、外枠は日本製?という噂もあります。両国のコラボ???
当時から日本の木工技術が高かった証拠です。

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八芒星にJのマーク。ユンハンスの証です。

地板が斑模様になっているのは、油が浮いてしまったようです。この模様も古さを感じますね。

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掛時計の油には主にこのglobe油を使用します。
歯車の臍(ホゾ)用ですね。ゼンマイは別のゼンマイ油を使います。

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ひと通り分解掃除が終わると、ムーブメントのみを外箱にもどして、振り子の振り幅などの調子をみます。 その後に長針だけを取り付けて、に遅進調整をします。

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外箱の壊れていた部分を修復します。今回は1度完全に取り外して、再度固定(釘打ち)しました。

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文字盤と各針を取り付けます。

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壁に掛けて最終調整をします。
ゼンマイの残量などでも遅れ進みがでますので、誤差が最小限になるようにします。

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完成です。

ありがとうございました。